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揺蕩い日記(猫)

  • 本堂 裕成
  • 2020年10月14日
  • 読了時間: 2分

更新日:2020年10月15日

ある秋の夕暮れです。近所にある商店街の焼き鳥屋の前で眼光鋭くこちらを見つめる大きな眼差しを感じました。見ると堂々と威厳を振りまいて構えている一匹の猫がおりました。俺がここにいると知りながら黙って通り過ぎるとは何事だと、言わんばかりにこちらを見ているではありませんか。それではひとつご挨拶をさせていただかねばなるまいと、猫の前に歩み出てニャオーンとやってみました。相手は17歳の雄猫。人間だともう80歳を超えたおじいさんです。案の定なにも応えてくれませんでした。またニャオーンと挨拶しましが、今度は焼き鳥屋の中にすうっと消えていきました。しばらく様子をうかがっていると、ゆったりとした足取りで店の前にお出ましになったので、今度はニャオーンを続けて二回やってみました。すると猫様はこちらに向きを変えてきて、色んな動きを披露しだしました。寝っ転がったり、私の足にすり寄ったり、お客さんの犬を威嚇したり、寄ってくる小さな子供に愛想を振りまいたりと。勝手放題の振る舞いです。俺様はここにいるんだぞと言わんばかりです。しめたこれはごあいさつ代わりに撮らせていただくチャンスだと思った私は、猫様にカメラを向けてパシャパシャやっておりました。「おいお前、ありがたいと思えよ」という猫様の声が聞こえてきそうでした。こちらも気を使ってできるだけ威厳のあるお姿を残すようにやらせていただきました。

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